キャンベル共同計画は,良質の系統的レビューを生み出し,データベースを充実させ,その他の活動を行うための,透明性があり詳細なガイドラインの,策定,維持,改善に努めています。
キャンベル共同計画の系統的レビューは,教育,刑事司法,社会福祉等の領域において,社会・行動介入及び政策に関するエビデンスをレビューし,統合することを目的としている。その主たる関心は,介入・政策の全体としての有効性及び,有効性が実施過程,介入要素,介入対象等の要因によってどのように影響を受けるかにある。
レビュープロトコルとは,レビューワが,行おうとするレビューを,キャンベルライブラリの一部である,キャンベル系統的レビューデータベースに含めることを希望するに当たって,レビューのトピック及び,そのレビューを行うに当たって用いる方法に関する考えを述べたものである。部会の編集担当者及び編集担当者が適切と考えるその他の審査者が,レビューを実際に開始する前に,プロトコルを評価し,コメントを付ける。プロトコルは,キャンベル系統的レビューデータベースに公表され,データベースのユーザからのコメントや批判の対象となる。
キャンベルレビューを作り,維持していこうと考える者は,まず,いずれかの部会と相談して,レビューのタイトルを登録する必要がある。これは,異なった2つのチームが同じ(あるいはよく似た)問いについて作業を開始し,あとになって重複した作業を進めていることに気づくという,不幸な事態を避けるためである。
レビューの作成は,多くの判断や決定を伴う複雑なプロセスである。プロジェクトを進める過程で固まってくるという側面はあるものの,科学におけるあらゆる取組みと同様,研究手法は,研究を開始する前に設定されなければならない。レビューにとりかかる前に手法を決定することは非常に重要である。その理由は,(a)研究は完了し報告されてからレビューの対象となるから,また,(b) 多くの研究の結果はすでにレビューワに知られているからである。レビューワが研究の結果について知っていることは,次のような要素を左右することになる。
よって,非現実的な要請であってはならないが,レビューの過程を,できる限り明確に定義し,系統的なものとし,偏りのないものにすることが重要である。詳細なプロトコルを求めるのは, (a) 審査者が指導や助言を行い,(b) レビューの過程で起き得る問題を防ぎ,(c)最終的成果物がキャンベル共同計画の基準を満たしているようにするためである。
キャンベルレビューのプロトコルは次の各章から成る。