1970年8月、京都において国連犯罪防止刑事司法会議(コングレス)が開かれました。この会議は、全世界の刑事政策に大きなインパクトを与え、日本では「法律化」「近代化」「国際化」をスローガンとして監獄法改正作業が急ピッチで進められました。それから50年、再び京都でコングレスが開催されることが決定しました。国内の社会情勢も、日本をとりまく国際環境も大きく変化しています。
龍谷大学は、矯正・保護総合センターを中心に、40年の間、刑事政策・犯罪学——とりわけ、矯正と更生保護——に関する研究と教育と社会貢献を積み重ねてきました。2016年6月、新たな展開を期して、犯罪学研究センターを立ち上げ、2016年11月に「文部科学省私立大学研究ブランディング事業」に採択されました。
2021年3月7日〜12日、京都において「第14回 国連犯罪防止刑事司法会議(京都コングレス)」が開催されました。これまで当センターは、この京都コングレスを意識しながら、「人に優しい犯罪学」をモットーに、対人支援を基軸とした科学的証拠に基づいた犯罪学を構築し、広く世界にアピールすることを目的に研究活動を展開してきました。
そこで、2021年度にはこれまでの研究成果の一端として、京都コングレスで示された政府案と対置する市民サイドからの意見【龍谷・刑事政策構想】を発表しました。また、2022年3月には、6年間の研究活動の成果と展望を発表すべく、「私立大学研究ブランディング事業 最終報告会」を実施しました。
皆さまにおかれましては、今後とも本事業の推進に、ご参加・ご協力いただきますようお願い申し上げます。
前・犯罪学研究センター長
(2016年度〜2021年度)
石塚 伸一(本学法学部教授)
2022年度より新しく犯罪学研究センター長に就任した本学社会学部の津島昌弘です。
石塚伸一前センター長(本学法学部教授)は、2016年6月の当センターの立ち上げから、約6年間センターの事業を精力的に牽引してこられました。文部科学省「私立大学研究ブランディング事業」の獲得や「アジア犯罪学会 第12回年次大会(ACS2020)」の誘致・開催など、石塚前センター長が取り組んだ功績は誰もが認めるところです。この間、上記ブランディング事業の突然の打ち切りや新型コロナウィルスの感染拡大といった困難に見舞われましたが、それらを乗り越え、2022年3月にブランディング事業としての当センターの活動を無事終えることになりました。
そして犯罪学研究センターは、2022年4月から、新たに本学の重点強化型研究推進事業の支援(2年間)を受けて、研究ユニット・メンバーを刷新してスタートしました。石塚前センター長のもとで培った当センターの基盤を活かしつつ、時代に合わせた形で成長させていきたいと考えています。
皆さまにおかれましては、今後とも引き続きご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。
新・犯罪学研究センター長
(2022年度〜)
津島 昌弘(本学社会学部教授)