Need Help?

Criminology Research Center(CrimRC)

犯罪学研究センター

教育 Education

当センターでは、「研究・教育・社会貢献という学術の発展サイクル」を構築し、学術的な営みの成果である「知」を次世代へ受け継いでいくことを目標に、日本独自の犯罪学カリキュラム「龍谷・犯罪学」の構築・発信に取り組んできました。

犯罪学教育カリキュラム

出版

これまで当センターでは諸外国の犯罪学カリキュラムの調査をおこなってきました。各国の犯罪学教育に関する調査結果と、2019年2月に開催した犯罪学教育シンポジウムの成果を踏まえ、本学・社会科学研究所の共同研究と協力して、社会科学研究叢書第129号『創生・新時代の犯罪学——共生の時代における合理的刑事政策——』(日本評論社、2020年)を出版しました。現代の日本社会における犯罪を諸科学によって解明し、対人支援に基づく合理的な犯罪学・刑事政策の構築の方策を、総合的に考察した一冊となっています。

カリキュラム構想

わたしたちは、現代の多様な逸脱的現象を捉えるため、従来の犯罪行為と非行行動にとどまらず、その前兆的逸脱行為を含めた幅広い、多様な“つまずき(Deviance)”を研究の対象とすることを提案しています。これまでの調査研究を通じて、「“つまずき”の背景には人間の“孤立”がある」ということが明らかになりました。人びとが孤立から立ち上がり、“つまずき”を克服するためには、当事者の主体性を回復することが必要です。わたしたちは、この回復へのプロセスを “立ち直り(Desistance)”と定義しています。わたしたちの考える犯罪学の基本理念は、「人にやさしい犯罪学」、「生きづらさを抱えている人に柔軟に対応できる力を持った人および地域の創生」です。その実現のためには、学際・学融的視野を持った担い手が必要です。こうした理念に基づいて「犯罪学学部」創設に向けたカリキュラム構想を発信しました。

※ページ内のコンテンツは、トライアルのために第一次案として公開するものです。無断転載等、著作権を侵害する行為はお控えください。

犯罪学英語授業トライアル

2018年度には、トライアル授業として「龍谷犯罪学 英語授業 Ryukoku Criminology in English -Let’s study the Criminal Justice System in the secure and safe society-(安心・安全な日本の刑事司法制度について学んでみませんか?)」(全15コマ)を試行しました。

2019年度からは、龍谷大学の正規科目、グローバル教育推進センター(Center for the Promotion of Global Education:R-Globe)のJEP-Kyoto (Japanese Experience Program in Kyoto) 授業および法学部特別講義として開講されました。この特別講義は、英語を母国語とする留学生だけでなく、英語コミュニケーション能力を高めたいと思う日本人の学部生も受講対象としています。また、講師は海外留学や海外での教員経験者であるため、留学予定者、英語レポート作成のためのスキルや社会調査のノウハウを身につけたいと考える学生にも有益な講座構成となっています。

これまでの3年間6学期の講義は、のべ14の国と地域の学生が受講しました(イギリス・スペイン・オーストラリア・アメリカ・マレーシア・オランダ・ドイツ・フランス・スロバキア・台湾・イタリア・フィンランド・ポーランド・リトアニア)。コロナ禍で留学生の日本への渡航が困難であった2020年度~2021年度にも、オンラインで開講しました。

これまでの主要な取り組み

※各肩書は2018年度の実施時点のものです

犯罪学リテラシー研修

当センターでは、犯罪学の担い手を育成するため、日本犯罪社会学会の協力を得ながら、犯罪学リテラシー研修を開催し、教育能力向上のための調査研究を実施してきました。

2020年1月には、3日間15講義の「講座『犯罪学』」を龍谷大学・深草キャンパスにおいて開催しました。犯罪学の普及を目的とした本講座は、日本犯罪社会学会 第16期企画調整委員会が開発してきた教育メソッドの集大成として、日本犯罪社会学会(第16期会長・石塚伸一)の協力を得て、同企画調整委員会(第16期委員長:津富宏・静岡県立大学)が中心となり、はじめて龍谷大学で開催されました。受講募集の開始直後に定員(50名)に達するなど、矯正保護や社会福祉、心理領域の実務家や教育関係者などから高い関心が寄せられました。

この他にも、犯罪学者や犯罪学の知見を有する方をキャンパスに招いて、公開講義や研修会を複数企画し、犯罪学リテラシーの普及に向けた諸活動を展開しています。

法教育メソッド

法教育とは、法律専門家ではない一般の人々が、法や司法制度、これらの基礎になっている価値を理解し、法的なものの考え方を身につけるための教育です。当センターでは「法教育・法情報」ユニットメンバーを中心に、模擬裁判や模擬投票などパフォーマンスを活用した新たな法教育メソッドを開拓しています。また、「法教育フェスティバル」を開催し、法教育の実験教育を展開。2019年12月には京都府立図書館等と共催で市民に向けた「法教育フェスタ2019」を開催し、好評を博しました。また、2020年度以降のCovid-19によるパンデミック以降はいち早くオンラインツールを活用し、高校生を対象とした「オンライン模擬裁判」を複数回実施しています。